眞鍋けをり。出版社(毛織書房)勤務。髭を剃ると血が出る。金属バットで殴ると死ぬ。
五年通っている居酒屋に行くと店長が知らぬ間に変わっており衝撃を受ける。家庭の事情で職を離れたという。今は帰宅して悲しみの酒を飲んでいる。変わらない日々をよしとして生きていけるのは、それが変わらないと思えばこそだ。なぜつまらない不変が不変であり、快い不変はたやすく形を変えてしまうのだろう。店長その人の不在も、そこから思い至る酒飲み暮らしの空しさも悲しい。店長、あなたの髭が懐かしい。24 歳の感傷。