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ヤプログなんかでよくある、ランキングに参加したりして活発にはしゃいでいた(であろう)ブログがいまや更新されず跡地になっている様には背筋が寒くなる。笑いながら死んでる人みたいだ。往々にしてそのサイドバーには手のこんだアバターがあしらわれていて、二度と主が戻らないことを知ってか知らずか直立不動、時々瞬いたりする。何でここまで飾りつけておいて打ち棄ててしまうのか。物神などと言うつもりはないしそれが理性的な態度じゃないのは分かっているが、到底耐えられない。

小学校に入りたての頃、図工の授業に段ボールで城をつくった。あれはまさに城だった。ほとんど無計画なところから、クラスメート全員がめいめい通路や部屋をつくり、城はまったく無軌道かつ有機的に成長していった。女の子数人が小ぢんまりした部屋を作っているところに腕白な小僧が道路増幅のため立ち退きを迫ったり、喧騒が喧騒を呼びながら城が町になっていく様におれは興奮した。張り切って天窓などをつくった。そして二時間ほどが経ち城は完成した。その中で給食を食べていると、もはやそこは我が家のようだった。天窓からの木漏れ日、あたたかい色の壁に包まれていると、大きな木の中にいる心地さえしたものだ。
しかし片付けが済むと教師が言った。
「じゃあお掃除の時間です。みんなでお城を壊しましょうー」
おれは愕然とした。せっかく出来上がった城を、我々の城を壊すというのか。そんなことが許されるのか。しかし何より驚いたのは、その命令に他の生徒連中があっさり従ったことだった。おれが止める間もなく、彼らは実に楽しそうに段ボールの壁を蹴り、潰し、解体していった。城は、生き物だった城はあっという間に殺されていった。おれは泣いた。誰かが屋根にのぼり跳び跳ねた。天窓のために強度の落ちた屋根はたやすくへこみ、壁は破れ、城はメリメリと音を立てて死んだ。

ヤプログはそういうこと思い出すから嫌いです。ランキングに参加したら、城を作ったら、アバターを置いたら、閉鎖するな更新を止めるな。おれ以外はそういうことするな。誰とも死に別れたくないだろ。違うか。違うならよし、寄り道せず帰りなさい。先生は泣いてなどいない。